「FX意識改革」ブログ

 2009年からFXのトレードについて真面目に解説しています。
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# FX上達のヒント トレードの守破離

この前のコラムではトレードで勝てるようになるための道のりを話しました。
その続きをお話ししましょう。


よく物事の習得の様を表現するのに「守破離」という言葉が日本では良く使われます。


まずは師匠の言いつけ通りの型を「守」る。
型を身に着けたら、より自分の性質や考えに合った型を作り、その型を「破」る。
そして、最後は型からも「離れ」て、自在になることができる。

という意味です。


ウィキペディアでは、

 

    守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 〜 自律的に作業を遂行できる(1人前)。
    破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。
    離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。

 

という説明がされています。

トレードもこれと同様に、守破離があります。

 

 


「守」

 

基本を守ること。

 

特にリスク管理。次にテクニカル指標を使ったエントリー。
エントリー後の対応(撤退・継続)とトレードの終了(損切、利食い)。

リスク管理、相場分析、エントリー、イクジット。
この一連の基本を押さえることが「守」でしょう。

 

私が思うに、この段階すらままならないトレーダーが8割を占めていると考えます。
なお「守」ができれば、トレードは継続できますが、
安定して勝てる優れたトレーダーではまだありません。

 

テニスにたとえたら、

サーブ、フォアスイング、バックスイング、ボレーの基本技術は使えるようになって、
とりあえず「試合」ができるようにはなったという段階です。
ただ、それで相手に勝てるかどうかはまた別の話です。

 


「破」

 

トレードの一連の流れ、基本を押さえると、

 

「これは、こうしたほうがいいんじゃないか」
「こうしたほうが自分のライフスタイルにあっている」
「このテクニカルのほうが自分は使いやすい」

 

という自分なりの工夫が生まれるようになります。
それを活かせるようになってくれば、稼ぎの量も増えるでしょう。

 

テニスにたとえたら、

「こうスイングしたほうが速く振れるんじゃないか?」や、
「このサーブを出して相手を動かしたら、次はこう打てばいいんじゃないか?」
というような発想が「破」です。

 

知らない夜道を歩くときは、誰かの後をついていかなければなりません。
でも、やがて夜目が効くようになって、
少しづつ周りの風景が見えてきたような段階でしょう。

 

ただ、自分の工夫を取り入れていくときには、リスクがあります。
トライ&エラーの作業になります。

先人の型から離れるときには、リスクがあります。失敗は避けられません。
やってみたけど、うまくいかないことも多々あるはずです。

 

別の道を見つけたけど、いってみたら行き止まりであったことも多いでしょう。
しかし、その中でうまくいったことも得られるはずです。
もっといい道を見つけられることがあり、その成功が自分の財産になるのです。


 

「離」

 

トレードにおいて「離」の段階とは、独特の段階になります。
優れたトレーダーは皆「離」の段階に到達しています。

 

「破」の過程において、工夫を取り入れて、自己改善・進化を繰り返してきた
トレーダーの考えやスキルは、すべて「オリジナル」になります。

そしてオリジナルの強みというのは、誰にもマネができないということです。

 

錦織の打法をマネすることができるでしょうか?
あのエアKと呼ばれる、飛び上がって打つ打法なんて、初心者がマネしたらコーチに
「なにかっこつけてんだ!そんなことしたら隙ができて次の球が打てないぞ」と叱責されるでしょう。
そして、マネしたところで、それはモノになるものではありません。
それは小柄な錦織自身が強い球を打つために工夫(破)を重ねた末に
編み出した自分専用の技であるからです。

 

なので、優れたトレーダーは「離」の段階に到達していますが、
こうした人に教えてもらっても、多くの人はまるで分らず、ポカーンとしてしまいます。

凄腕トレーダーにトレードを見せてもらっても素人目にはなぜそんな判断をするのかわからず、
ただ、感覚だけで適当にやっているようにしか見えません。でも、なぜか稼ぎはついてきている。
そんな感じでしょう。

 

 

 

・・・というようにスキルの習得段階は、確かに「守破離」の過程で進むのですが、
言うは易し行うは難しというものです。

 

たいていは「守」ができずにすぐに諦めてしまうのが大半。
トレードでいえば、リスク管理、特に損切ができなくなって挫折します。
「守」を実現するのも石の上にも三年といったところでしょう。


「守」から先を実践するのは、もっと容易ではないです。

特に日本人の場合、私もそうですが30代半ば以降の方々は、

画一的な詰め込み教育を受けてきました。

あの時代はとにかく人が多くて個人の発想、個性を活かそうという教育ではなかったでしょう。
そんなことをやっていたら効率的な指導なんてできなかったのです。

 

だから、「ルールを守ることが大事」という教育方針が第一であったはずです。

その弊害として「自発性」が失われました。

 

会社では言われたことしかできない、指示待ちマニュアル人間がたくさんいるといわれます。
一を聞いて十のことはできない。一しかできない。
「自分の頭で考えろ、仕事は自分で作るものだ」と上司に言われても、
何をしていいのかまったくわからない。

 

なぜ、そうなってしまうのかといえば、それは深層心理に潜在的な枷があるから。
学校教育でルールを踏み外してはいけないと、あらゆる局面で教えられてきたからです。

 

それにルールから踏み出す次段階の「破」には、リスクがあるのです。
自然とトライ&エラーにならざるをえず、痛い思いもしなければなりません。

だから、ほとんどの人は保身を考えて踏み出すことはないのです。

 

 

一方、起業家には学生時代にやんちゃをしていた方が少なくありません。

学校のルールを多少踏み越えて、自分がやりたいようにやってきた人は、
ルールから抜け出し、既存のレールから外れることで痛い思いをたくさんしているでしょう。

でも、最終的には大物になっているケースがよくあります。

 

決められたレールなんて、走らない。第一そこは渋滞している。
自分専用のレールを作って、その上を走ればいい。それなら誰も追ってはこない。

 

そんな常識外の発想が「離」に到達するには必要なのだと思います。
こうした考えをけしからんと思うようなら、

そういった教育を受けてきた証でもあるし、特にトレーダーには向いていません。

プロトレーダーは、みな節操がありません。ウォール街を見ていてもわかるでしょう?

金儲けの為ならなんでもやる人たちの集まりです。

 

話をトレードの上達法に戻すと、まず「守」から。

「守」ができれば、あまり大きくは勝てないですが、負けなくなります。
具体的には減りもしないが増えもしないような状況になります。
ここで稼げないと嘆く方が多いのですが、むしろ喜ばしい状況です。

この状態になったら「守」はできてきたということですから。

 

次に師の教えから踏みでて、自分なりのスタイルに合わせたトレード法を
コツコツと作る「破」にチャレンジしましょう。
自分なりの工夫を取り入れる段階では、損失もあるでしょう。
しかし、その失敗から得たことを吸収することで、少し稼げるようになってきます。
「離」はその「破」を続けた先にあります。


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| - | - | 13:34 | category: FX上達のヒント(コラム) |
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